写真左は青恵で右は海老名耕地です。
右の海老名耕地は2018BYのもので香りからして濃淳でした。いづみ橋には生のたけとんぼのドライな酒質のイメージがあったので、このまろやかなお米の甘みには意外な感を持ちましたね。お燗にも向きそうです。
左の青恵は濃淳さは薄れてスタンダードな印象でした。それでも後味にお米のうま味を感じて、キレのある印象が先に立っていたいづみ橋のイメージが少し変わりましたね。
いづみ橋さんはよく酒蔵のイベントを開催しているとのことで、ぜひ足を運んでみたいと思います。
映画「歴史の授業」ストローブ=ユイレ
おそらく自分の所持している映画のなかで最も異様なものです。
資本主義を批判するブレヒトの小説の一部を映画化したもので、青年が古代ローマ風の衣装をつけたカエサルの同時代人たちを取材するという設定になっています。およそ2000年前の古代ローマ時代が舞台なのに、何故か取材する青年は自動車にのって現代の服を着ています。
しかもこれらの取材場面は、取材者の青年がローマ市街を車ではしり続けるのを後部座席から撮影した合計30分以上の長い固定ショットによって成り立っているのです…。(観客は30分間ただ青年がドライブするだけの後ろ姿を見せ続けられます…)
製作状況を暴露する映画の作り方そのものがブレヒト的方法であり、映画という見世物制度は観客の生きる空間と表象空間を切り離すというこれまでの考え方に抵抗し、じつはこの考え方こそ中産階級の錯誤であることを挑戦的に突きつけているのでしょう。
Amazonの中古で8000円ほどで売っています。
気になる方はぜひ。
※こんな異様な文章を書く僕の暴挙を咎めないでください。